至仏山しぶつさん(群馬県 2228m)と

尾瀬ヶ原おぜがはら(群馬、福島、新潟県)


2008年7月4日(金)〜6日(日) 

4日(金):高松(18:20)〜明石大橋経由〜

5日(土):赤城PA(03:20)洗顔・朝食〜戸倉・尾瀬高原ホテル
       (04:50〜05:20)〜現地バス〜鳩待峠(06:00〜06:15)
        〜至仏山(10:00〜40)〜鳩待峠(13:08〜35)
        〜山の鼻(14:47〜15:00)〜尾瀬ヶ原〜原ノ小屋(17:00)

歩行時間 約10時間45分(休憩を含む)

6日(日):原の小屋(05:30)〜尾瀬ヶ原〜鳩待峠(09:47)〜
             戸倉〜高松(11:00)

歩行時間 約4時間15分(休憩を含む)

☆1日目(5日) 晴れ 

鳩待峠〜至仏山〜鳩待峠〜山ノ鼻〜見晴(原ノ小屋)


小至仏山から至仏山山頂を望む

高松を出て約9時間で関越自動車道赤城PAに着きました。
ここで洗面をし、朝食が配られます。

そうです。言い忘れていました。
今日もB社のバスツアーに参加しているのです。
至仏山に登るのは初めてですが尾瀬ヶ原は二度目です。

バスの中で少ししか眠れていないのに朝食の弁当がスイスイはいります。
今日は体調が良いのかな!!よしよし・・・
只今の時間は午前3時20分。

ここから1時間足らずで現地バスに乗り換える戸倉に着く予定だ。
戸倉から先は道が狭くて大型バスは進入禁止になっている。
現地バスに乗り、30〜40分で鳩待峠に到着。
ここは至仏山と尾瀬ケ原へのスタート地点になっている。

至仏山は燧ガ岳(ひうちがだけ)とともに尾瀬を代表する山で尾瀬ヶ原の
シンボル的存在のようだ。
この山特有の花も多く、高山植物の宝庫として知られている。


鳩待峠

樹林の中を

鳩待峠の林縁から至仏山の登山道に進んで行きます。
ブナやダケカンバの樹林に覆われています。
下山時もここへ帰ってきます。

至仏山の山頂からは登って来た登山道と違う登山道を下りることが
出きるのに、なぜ同じ道を帰るのか不思議に思っていた。
一昨年に家内が来た時は別ルートで下りたようです。

ここへ来てその理由が分かりました。
至仏山も他に類を見ず植生の荒廃や泥岩、土壌の流出が深刻な
状況になっているようです。

そのために家内が下りた登山道は上り専用になっていました。
その登山道は私達が上って来た道とは少し違う野草も
自生しているようですが仕方がないですね。


展望が良くなった

うっそうとした樹林の道を登って行くと樹間が少し開けてくる。
そして笹が切り開かれた道の左側には上州の山並みが綺麗に見え出した。


オヤマ沢田代

小至仏山

オヤマ沢田代に着きました。田代とは湿原や湿地の事です。
正面に見える三角形の岩山は小至仏山だ。


残雪

慎重に

湿原の向こうの樹林を抜け出すと小至仏山直下のお花畑だ。
尾根の右側にはまだかなりの残雪が残っている。


尾瀬ケ原と燧ガ岳が少し霞んで見える


蛇紋岩帯

蛇紋岩帯

色とりどりの花々を撮りながら蛇紋岩特有の滑りやすい岩稜を登ると
小至仏山の山頂だ。


小至仏山山頂

山頂は岩山で狭いが360度の大展望が開けている。


至仏山山頂が見え出した

さあ・・もう少しで至仏山だ
足元に注意しながらハイマツ帯を歩いて行く。
岩場では大小色とりどりの花が咲いている。


振り返れば小至仏山が・・

至仏山手前の台地から振り返ると今歩いてきた小至仏山
奥には笠ガ岳が見える。


山頂手前

岩稜の急斜面を登るとそこは至仏山山頂だ。


至仏山山頂


山頂から

山頂では大勢の人が休憩されている。
平ガ岳、会津駒ケ岳、谷川連峰、日光連山などが
見られる360度の大展望!!
美しい眺望にしばしうっとりする。
ここで昼食。この天気とこの眺望、弁当が何倍も美味しく感じた。

山頂からは往路を鳩待峠まで引き返す。
鳩待峠は綺麗なトイレ(1回100円)や売店がある。
ここで名物のジェラードを食べ、しばしの休憩をして宿泊先の見晴まで
初夏の湿原のお花畑が広がる尾瀬ケ原を歩いていきます。

☆至仏山の花


ヒロハユキザサ(ミドリユキザサ)

四国で見られるユキザサより大きく花も黄緑色。


マイヅルソウ

ハリブキ

マイヅルソウは四国のと比べて花穂が長いように思う。


オオバタケシマラン

オオバタケシマランは花柄の途中に関節があるので花がねじれて付いている。


タケシマラン

これら以外に小さいヒメタケシマランもある。


アカフタチツボスミレ

オオバキスミレ

ノウゴウイチゴ

イワイチョウ


ミツバオウレン


ミツババイカオウレン(コシジオウレン)

ミツババイカオウレンはお初の出会いかも知れない。

ミツバオウレンは登山道のいたるところで見られたが
ミツババイカオウレンは一部の場所にしか咲いていなかった。
花茎が太くて褐色なのでよく目立つ。

ラッキーにも休憩地点の横に咲いていたのでゆっくりと撮ることが出来た。


コイワカガミ

ゴゼンタチバナ


シラネアオイ

サンカヨウ


ハクサンイチゲ


シナノキンバイ

チングルマ


ミヤマキンバイ


ホソバヒナウスユキソウ

上越の谷川岳や朝日岳、至仏山の蛇紋岩帯でしか自生しないようだ。
四国の東赤石山などで見られるのはコウスユキソウ


ツマトリソウ

クモイイカリソウ

キバナノコマノツメ

ミヤマハタザオ


オゼソウ

至仏山と谷川岳の蛇紋岩の草地に生える特産種
日本特産の貴重な植物である。


ユキワリソウ

ハクサンコザクラ


チシマアマナ


ミヤマシオガマ

ムラサキタカネアオヤギソウ(タカネシュロソウ)

☆樹の花にも少し出会うことが出来た。


マルバヘビノボラズ

ヒロハヘビノボラズと言われるのは四国にも自生するが、関東地方の
北部には葉が2〜5cmと短く丸いものがあり、マルバヘビノボラズ
呼んで区別する。


ミネカエデ

オオバツリバナ

ウラジロヨウラク

ガクウラジロヨウラク

あれ〜良く見ると萼がある・・・なんじゃこれ・・・
ウラジロヨウラクの変種のようだ


ムラサキヤシオ

アズマシャクナゲ


キンロバイ

自生のキンロバイを見たのは初めてだ。
剣山の剣神社の庭に植生されているのは何度か見ているが
至仏山のは非常に低木だ。深い雪に長い間覆われているからかな。


イワナシ

ミネザクラ

ベニサラサドウザン

ヒメシャクナゲ

至仏山は本当に花の山だ。
見たかった花のすべてには出会えなかったがこれで満足をしなければ・・・

野草も樹の花も昆虫にも知識のあるガイドさんに恵まれてラッキーでした。

☆尾瀬ケ原へ

尾瀬ケ原へは広場の北側からブナやダケカンバなどの樹林帯を
下って行きます。
木道で整備されて右側通行になっています。

歩き始めてしばらくしたところで大ハプニング!!
左側の木を見ようとして木道と木道の間に左足を落としてしまった。
たまたま、そこは運悪く木道が高くなっていて足が届かないところだった。

一瞬何が起こったか分からない。
「大丈夫」かと声がしたが痛くて返事が出来ない・・・。
やっとの思いで立ち上がる。う〜ん骨折はしてないようだ。
歩けそう・・・でも痛い。まだ一日あるのに心配だ。

その後写真を撮ることや階段を歩くのが大変だったが、なんとか
完歩する事が出来た。
1週間以上経った今でもまだ少し腫れて痛い。
今日、14日に念のため病院に行って来た。
骨には異常ないが内出血してるらしい。
今週の山歩き行けるかな・・・

私以外でも転んだ人がいる。板の継ぎ目の段差にけつまずいてコロリ。
足元にも気をつかわないとダメですね。


山ノ鼻

川上川に架かる木橋を渡れば尾瀬ケ原西端の山ノ鼻に着いた。
公衆トイレやビジターセンターなどもあり、小屋の前にはベンチがある。
ここまで1時間余り。小休止。
ここからはいよいよ湿原歩きだ!!


広々とした湿原の彼方には燧ガ岳

平坦な木道の上をルンルン気分で歩きます。
気持ちはそうですが実は大変でした。

木道の上から低い体勢で花の写真を撮らなければなりません。
足の打撲で、痛くて立ち上がるのが一苦労です。
でも写真が撮れなければここに来た価値がないので必死です。


手前の白いのはワタスゲ

正面に燧ガ岳を見ながら進むと木道の左右に次々と池塘(ちとう)が現れ
木道の右側にシラカバの木が見え出します。
池塘にオゼコウホネが咲いていたが遠くて撮れません。

この辺りのニッコウキスゲは全部蕾。
尾瀬ヶ原が黄色に染まるのは7〜10日先かな。


見晴が見えてきました

燧ガ岳の西麓に今夜の宿がある見晴が見えてきました。
ここは福島県で6軒の山小屋が建っている。
私達は原ノ小屋で泊まります。

風呂はありますがシャンプーや石鹸は使用禁止です。
5〜7人で一杯の風呂に倍以上の入浴者です。
遠慮なんかしておれません。イモ洗いに参加です。(笑)
5時に到着して6時までの入浴時間ですからバタバタです。
蛇口からはもうお湯はでません。
でも行水が出来ただけでも気持ち良かった。.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

☆2日目(6日) 晴れ 

見晴(原ノ小屋)〜東電小屋〜山ノ鼻〜鳩待峠


原ノ小屋

朝のミーティング

高松に帰るには鳩待峠から11時間ぐらいかかります。
そのため、早朝に原ノ小屋を出発して尾瀬ヶ原を散策しながら
鳩待峠に向かいます。


朝霧の尾瀬ヶ原

尾瀬ヶ原は朝霧に包まれている。幻想的な雰囲気・・・。
朝霧の出る日はいい天気になるようだ。

太陽が朝霧を通して差し込んできました。

ガスが晴れるとシラカバ林が見え出しました。
今日もいい天気です。


池塘

こんな所を歩いて鳩待峠まで帰ります。

☆尾瀬ヶ原の花


ヤグルマソウ

モミジカラマツ

カラマツソウ

ミヤマカラマツ


テガタチドリ

ノビネチドリかどうか迷った。
ガイドさんに確認するのを忘れました。


ワタスゲ

サギスゲ

ワタスゲは知っていたがサギスゲは知らなかった。
ほとんどの人はサギスゲは見落としてしまうだろう。
わたしもガイドさんがぼそっと言ったので慌てて写真を撮る。
今日はガイドさんに密着してました。


カキツバタ

ヒオウギアヤメ

尾瀬ヶ原にはカキツバタがほとんどだ。
ヒオウギアヤメは少ししか生えていなかった。


クルバマツクバネソウ

ツクバネソウ

6枚葉のツクバネソウ。この種はどちらも四国にありますね。


オオバミゾホウズキ

ミヤマオダマキ


リュウキンカ


オオバタチツボスミレ


ヤナギトラノオ

寒冷の湿原に生える多年草。


ギョウジャニンニク

コバイケイソウ」


ナガバノモウセンゴケ

ナガバノモウセンゴケは北海道と尾瀬ヶ原の高層湿原に生える
食虫植物です。


タテヤマリンドウ


コツマトリソウ

ツマトリソウによく似てるな。でも小さい・・なんだろう・・コツマトリソウだった。
四国にも生えるらしいが気が付いていない。
花の大きさは直径1cmぐらいだった。


アサヒラン(サワラン)

トキソウ

ミツガシワ

ツルコケモモ

ミツガシワはもう終わりの花になっていた。


コタヌキモ


オゼコウホネ

オゼコウホネは遠くで咲いているので撮るのはこれが精一杯・・・


ハクサンチドリ


ハクサンチドリのシロバナ


ニッコウキスゲ

オゼヌマタイゲキ

ニッコウキスゲで尾瀬ヶ原が黄色くなるのはまだ少し先だ。
東電小屋方面に少しは咲いていた。

やはりニッコウキスゲは人気があるのか群生して咲いているのを
見たかったと残念がられる人が沢山いた。


オニノヤガラ

オオキソチドリ?

☆尾瀬ヶ原の樹の花


カンボク

本州では中部地方以北の内陸部や日本海側の湿潤な所に多く、
関東地方以西の太平洋側には分布しない。


ケナシヤブテマリ(ヒロハヤブテマリ)

カンボクと花が良く似てますね。でも葉がまったく違います。
ヤブテマリは四国にも生えますがケナシヤブテマリは本州の日本海側
に分布します。


タニウツギ

レンゲツツジ

ズミ

カラコギカエデ

今回の至仏山と尾瀬ヶ原で本当に沢山の花に出会うことができ、まだまだ
植物の知識に未熟な私にとってまた一つ勉強をさせて貰いました。

花が多くて長いアップになりましたが最後まで見て頂いて
ありがとうございます。